
君も、この列車に乗るのかい?
へぇ……。
他の客はあんまりいないからさ、
ちょっとびっくりしたよ。
君は、どこへ行くんだ?
『ナンシェ』?
……知らないな。
初めて聞く星の名前だ。
僕?
僕はね、機械の星に行くんだ。
行って、死なない体を手に入れる。
そのために、
みんな機械の星を目指してる。
それから? どうするかって?
さぁ……そんなの、知らないよ。
でも、人間ってやつはさ、
みんな永遠を欲しがるんだ。
僕の母さんも、そのために……。
ま、悪いけど、君とは行けないな。
降りる駅が違うみたいだから。
でも、もし――
君がまた僕に会いたいと思ったら、
きっと会えるさ。
ただ……
その時は、
君は僕だって、
気づかないだろうけど。